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私はお箸を置いた。
「…何だ?」
「……聖良ちゃん。橘聖良ちゃん知ってる?」
宮嶋は、一瞬何のことだろうと不思議そうにこちらを見た。
「……ああ。もちろん知ってるけど。」
「あの子って何者なの?」
「いきなりどうしたんだ?」
「だって…今朝、クラスの皆が聖良ちゃんの言うこと聞いてた。聖良ちゃんの言葉ひとつで皆が納得してた。…なんか、女王様みたいだった。」
それを聞いた宮嶋は、ふっと笑った。
「当たり前だろ。橘聖良…東宮聖良は、世界でも有名な東宮財閥のお嬢様だぞ。」
「…え!?そ、そうだったの!?」
私は、また驚いて転びそうになった。
「知らなかったのか?おまけに成績首位で、その上美女と来れば、誰だって従うだろ。」
「…え、私、そんなにすごい人だとは思わなかった…。」
「そういや、お前やけに橘聖良と親しげにしてたな。」
「…うん。昨日、寮で色々話したりして、友達になったんだ。」
すると、宮嶋は真剣な目で私を見た。
「…危ないよ。」
「……え…?」
「あのお嬢様、プライドがものすごく高いから。」
「…だから何なのよ。」
「…お前、この学園でやってけるかな?」
何言ってんの、こいつ………。
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