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学園長は淡々と説明を続けた。
「本校では、将来男性のもとに嫁ぎ恥じないよう、妻としての必要な知識、マナーを習得するための教育カキュラムを組んでいます。」
「ちょっと待って下さい!私っ…そんなこと何も聞いていません!」
「それはそちら側の責任でしょう。そちらにご理解を頂いた上で、入学金も頂いたのですから。」
「…お父さんとお母さんは知ってて…?」
「そのつもりですが。」
私は何が何なのか分からなかった。
「教育方針に基づき、生徒一人一人に担当男性職員を付けています。つまり、学園内ではその職員が生徒の夫役なのです。」
「おっと!?」
「そうです。夫婦はいかなる時も共に過ごすように、担当職員とは学園生活において常に共に行動してもらいます。」
私は、何を言われているのかさっぱり理解できなかった。
「あなたのその夫役の担当職員が、宮嶋です。」
隣にいる男性がこちらを見て微笑んだ。
「そういうこと。だから今日から君と俺はパートナーってわけ。この学園に来たからには、避けられないんだよ。」
私は、この状況を全く把握出来ずに立ち尽くした。
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