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「…優さん……!?」
私は目を懲らした。
何度見ても、優さんの目からは涙がこぼれている。
「……何よ…そんなにじろじろ見て……そんなに今の私の姿が可笑しい…?」
「ちがっ…そんなんじゃ……一体どうしたんですか……?」
優さんは涙を流しながら、フッと微笑んだ。
「……あなた…本当は宮嶋先生の何なのよ…。」
「……え…?」
「………振られたのよ…っ…!!」
「――――……!」
「…はっきり言われたわ…っ。」
『俺は、妻を変える気もなければ、気持ちを変える気もない。
俺の気持ちを変えられる奴がいるとすれば、
それは夏名だけだ。』
「……惨めな私を見て笑いたければ笑いなさいよ………私は…」
「優さん、ごめんなさい…!」
私は鞄を投げ捨てて、屋上までの階段を駆け上がった。
「………本当に…好きだった……。」
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