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「……宮嶋先生…でいいんですか?」
「おーとっと。違う違う。」
いきなり男性は、人差し指を私の目の前で振った。
「夫役の担当職員のことは、常に“旦那様”と呼ぶようにね。」
「――!?はい!?何でそんなこと―――!!」
「お黙りなさい。それが校則、ルールなのです。」
先が思いやれる。
何で私、こんなところに…。
「そして、最も重要な校則は、担当職員との恋愛は厳重に禁止です。夫役とは言っても、ただの職員なのですから。」
「っ!わ、分かってますよ!」
「…惚れちゃだめだよ?」
先生は私に顔を近づけて言った。
「誰があなたみたいな軽そうな先生にっ…!」
「“旦那様”でしょ?」
私は無視して学園長室を出ようとした。
「…あなた、何故この学園に合格したかご存知?」
学園長が私に話しかけた。
「…知りませんけど。」
私がそう言うと、学園長は意味深にうっすらと笑みを浮かべた。
「…そう。本来ならあなたの実力のレベルでは編入試験に合格など、天地が逆さまになっても無理なのですがね。」
どういう意味なのか全く分からなかった。
とりあえず、私は学園長室を早く出たかった。
「失礼しました。」と一言残し、私は学園長室を去った。
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