7555人が本棚に入れています
本棚に追加
「年齢不問ってマジでしょぉーねぇ!」
開口1番そう声を張り上げた主は、逆光でよく見えないにしても…子供だ。
まず声が甲高い。せいぜい中学生くらいか。
「おやおや。今回は人がよく集まる。」
店主は呑気に扇子で顔を扇いでいた。
そういえばこの店、クーラーおろか扇風機も見当たらない為蒸し暑い。
「年齢不問は本当ですよ。まぁ、むしろ若いほうが歓迎というか。」
「マジで?!やった!」
「待てコラ、いろいろと待ちやがれ。」
店の中へずかずかと入り込みガッツポーズの少年と、店主の間に立ちながら、彼は両方の顔を交互に見て待ったをかける。
その彼を、両サイドから二人がじっと見つめた。
「………どうかしました?」
「てぇか誰。アンタ何。」
それぞれにそれぞれの反応。
というか、この少年。室内で改めて見てもやはり中学生位の年齢…より下にも見える。
幼い顔立ちに、低い身長。目が大きなわりとかわいらしい顔付きではあるが………
言葉使いはどうも最悪らしい。
「どうかしたかじゃなくて、いいのか?!こんな年齢の奴働かせて………て、それ以前に仕事内容わからないのに勝手に話しを進めるな!」
「あぁ、そういえばそうですねぇ。」
「そういえばって!すごい基本的な部分だぞ!」
「歳食うとウルサクて嫌ね。」
「こんのクソ餓鬼!!!なんなんだテメェ!」
初対面ながら失礼な話しだが、どうにも突っ込まずにはいられずに、彼は半ば怒鳴っていた。
その声に、少年は耳に指を突っ込んでしかめ面をしている。
最初のコメントを投稿しよう!