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「まあいいや…とりあえず電話かけるね。」
智が携帯を出しながら器用に番号を打っていく
プルルルル プルルルル
プルルルル プルルルル
プルルルル プルルルル 『只今、電話に出る事が出来ません。発信音の後に名前と用件をどうぞ。』
やっぱり出ないのか…
ピ―――
「…俺だけど、後で春とお前ん家行くから部屋片付けとけよ。」
プッ ツー ツー
発信音が鳴った後、用件を言うと智は電話を切り、直ぐに携帯を閉じた
「…じゃあ鞄取りに行こうか。」
「そうだな…」
そういえば鞄を教室に置きっぱなしだった
教室に向かう途中、何人か同学年の奴等とすれ違った
…そっか…もう下校時間…
二人共無言のまま、誰も居なくなった教室に入り、机の脇から鞄を取ろうとすると智が小さな声で呟いた
「ねえ、あれ…」
智が指差した方向は校門の所だった
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