~~見知らぬ世界へ~~

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魔力を使うものとして初歩の初歩である魔力による身体能力強化を行い、木々が茂る森を駆ける。 ほんの数秒でメイは事態を視認できるところまで来て驚きに目を見開く。 「っ!穿て!突き貫く氷の槍!!」 鋭い牙と爪、三メートル近くの巨体を持つ怪物。リザードが倒れている男性に向けて爪を振り上げてるとわかった瞬間メイは詠唱を開始。 『アイスニードルゥ!』 メイの言霊とともに魔力が解放され、爪が振り下ろされる前に地面から三本の氷の槍がリザードを貫いた。 『ガァァアアアアアァァアアア!?』 痛みに悲鳴をあげてリザードが怯んでいる隙に男性・史翔を掴んで飛び退く。 「敵を捕らえよ、戒めの氷の鎖!」 着地と同時に詠唱を開始、史翔を庇うようにしたメイが掲げた右手の先に魔法陣が浮かび上がった。 『フロスト・チェイン』 最後の言霊に答えるように魔法陣から氷の鎖が出現し、リザードを縛り上げる。 『ガァッ!!グゥゥウッ!』 鎖から逃れようとリザードが暴れるが傷を負って本来の力が出せないリザードでは鎖を切ることはできない。 「潰せ!その広大な身を持って!」 『アイス・ハンマー』 リザードの頭上の大気が急激に冷え込み、巨大な氷柱が姿を現わした。 「これでおしまい!!」 右手を振り下ろされると氷柱がリザードを踏み潰す。 『ガァァアアアアアァァアアアアアアア!??』 悲鳴を最後に、リザードは動かなくなり死に絶えた。
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