~~見知らぬ世界へ~~

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メイはリザードが死に絶えたのを確認して安堵の息を吐くと史翔に近づく。 「大丈夫ですか!しっかりしてください!!」 メイは大きな声で呼び掛けるが史翔は目を覚まさない。 外傷は簡単に見たとしても左腕の骨折と頭部を損傷して血が流れてるのが確認できる。 今すぐに死んでしまうような怪我ではないが早急な治療が必要であると判断したメイは懐から黒く光る四角い箱を取り出した。 それは一般に無線機と呼ばれているものであり、ここ最近で帝国によって小型化が進み、各国に輸出されはじめた物である。 そもそも無線機とは各村に大掛りな機械が置かれ、他の村同士が交流するために造られた通信機なのだ。 この小型無線機は通信できる距離は一キロ程であるが大きな影響を与えたのは事実である。 閑話休題 『はい、こちら蒼雲の翼南支部です』 カチッ、という音が鳴ってボタンが押されて数秒、無線機の中から若干ノイズ混じりの女性の声が聞こえてきた。
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