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ピピピッ!!ピピピッ!!ピピピッ!!
「ぅう~~ん」
ピピピッ!ピピ――バチン……
「ふぁぁ~あ。朝……か」
青年はけたたましく鳴っていた目覚まし時計を止めると布団から起き上がった。
髪は長くも短くもない純日本人を示す黒に、日本人にしては若干色素が薄い茶色い瞳をしている彼の名は柊 史翔。公立高校に通う高校二年生だ。
「あぁ~~、今日も学校か……、ん?」
背中を伸ばし、全身の骨をバキバキと奏でてだるそうに欠伸一つした史翔の視界にあるものが入る。
「………………はぁ?」
それは時計。つまり今の時刻を示すものであり、その刻針は――
「はぁーー!?」
8時3分を示し、史翔に遅刻の危機を知らせていた。
「……ち、ち、ち――」
少しずつ青染める表情で
「遅刻だぁぁぁあああ!!」
近所迷惑も何も考えずに史翔はそう叫ぶと、布団を吹き飛ばしてハンガーに架けられた制服に手を伸ばした。
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