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SIDE:史翔
「……う、うぅっ………!」
普段寝ている布団よりか硬く、コンクリートにしてはやわらかい地面。
鬱蒼と草が茂っている森で俺は呻き声をあげながら目を覚ました。
「ここは……どこだ?」
確かに俺が住んでいた場所は都会と比べたら幾らか田舎ではあるがそうだとしても日の光が満足に射さない森などない。
そして辺りを見渡すも見つけることができるのは木ばかりで出口らしき場所は発見できなかった。
「どこだよ、ここは!?
誰か、誰かいませんかっ!!?」
俺の叫びに返答するものはなく、ただ哀しげに林が風で揺れる音をだすだけ。
「…………っ!」
顔から血の気が引いていくのを感じる。
見知らぬ場所でたった一人。もちろん俺にはサバイバルなんて経験はない。
右も左もわからず、生き残るかさえわから――『ガアアァァアアアアアアッ!!!!』
「なっ!?」
真っ白に思考が染まっていくなか、突然として今まで映画等でしか聞いたことがないようなおたけびが聞こえてきた。
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