始動

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練習スタジオに着き、望と愁を椅子に降ろす。 「愁ー、練習始めるから起きろー」 愁の肩を優しく揺すってみる。 因みに、望のことは一成に任せた。 「…んぅー…、ちゅー」 何度か肩を揺すっていると、寝惚けているのか、愁は目を擦りながら俺の方に腕を伸ばしてきた。 俺はその様子に笑みを浮かべ、愁の伸ばしている腕を自分の首に回し、自らの唇を愁のソレに重ねた。 「…んぅ、ふ…ふあっ」 ちゅ、ちゅ、と啄むようなキスをし、最後に愁の唇をちろりと舐めた。 唇を離し、腕を首に回された状態のまま、愁のことを見つめる。 愁は暫く俺のことをぼーっと見ていたが、徐々に顔が赤くなり、それを隠すかのように俺の胸に顔を埋めた。 「自分からねだってきたくせに、何赤くなってんだよ」 俺がくつくつと笑っていると、愁はゔー…と唸ったあと 「…覚え、て…なぃ」 と、ぼそりと溢した。 まぁ、寝惚けてたしな。 わかってはいたが、愁の反応がいちいち可愛くて、ついからかいたくなってしまう。 .
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