2112人が本棚に入れています
本棚に追加
朱夏と瞬は脚に引っ付いたまま、きゃっきゃと騒ぎながら運ばれている。
「あら、龍。お帰りなさい」
「ただいま」
リビングに入ると、エプロンを着けた母さんがいつものように出迎えてくれた。
「新しい学校はどうだった?」
「うーん、まあ芸能学校だし、普通の学校とはちょっと違う感じだったけど、楽しめそうだよ」
俺がそう答えると、母さんは嬉しそうに微笑み、キッチンに戻っていった。
それを見送った後、俺は着替えるために自分の部屋に行こうとしたが、そういえば、と足下に視線を落とした。
「部屋に行って着替えてくるから、一端離れてくれないか?」
「やー!りゅーにーとあそぶんだもん!」
「にー…あしょぼ?」
朱夏はやだやだというように首を振り、しがみつく腕に力を入れてくるし、瞬は目をうるうるとさせながら俺を見上げてくる。
ぐっ…こ、これはっ…!
2人の可愛すぎる行動に、目の前がくらりと揺れる。
あー…着替えとか、もうどうでもいいかな…?←
.
最初のコメントを投稿しよう!