始動

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朱夏と瞬は脚に引っ付いたまま、きゃっきゃと騒ぎながら運ばれている。 「あら、龍。お帰りなさい」 「ただいま」 リビングに入ると、エプロンを着けた母さんがいつものように出迎えてくれた。 「新しい学校はどうだった?」 「うーん、まあ芸能学校だし、普通の学校とはちょっと違う感じだったけど、楽しめそうだよ」 俺がそう答えると、母さんは嬉しそうに微笑み、キッチンに戻っていった。 それを見送った後、俺は着替えるために自分の部屋に行こうとしたが、そういえば、と足下に視線を落とした。 「部屋に行って着替えてくるから、一端離れてくれないか?」 「やー!りゅーにーとあそぶんだもん!」 「にー…あしょぼ?」 朱夏はやだやだというように首を振り、しがみつく腕に力を入れてくるし、瞬は目をうるうるとさせながら俺を見上げてくる。 ぐっ…こ、これはっ…! 2人の可愛すぎる行動に、目の前がくらりと揺れる。 あー…着替えとか、もうどうでもいいかな…?← .
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