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「全く…主人に断りも無く出て行くとは。」
ゆっくりと起き上がりながら吐いたその言葉とは裏腹に、七夜の表情に"怒り"の感情は見受けられない。
それどころか、薄く笑みを浮かべてすらいる。
「おや…こんな所に置き手紙が。」
恐らく白レンが残して行ったであろう、手紙を拾い上げて呟く。
「なになに…??」
『バカ七夜へ
暫く実家に帰らせて貰うわ。
それなりにお世話になりました、なんてね。』
「――ハッ、以前の俺の真似か??」
…突っ込む所はそこではありません、七夜。
「いや、しかし…"実家"…
真逆、我が兄弟の家…か???」
少し思考した後、遠野の家へ向かって歩み出す。
"不機嫌にさせる様な事をした覚えは毛頭無いつもりだがね…"と呟きながら…
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