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「――其れを早く言いなさいよ…。」
秋葉は呆れた、とでも言う様に吐き捨てた。
「其れなら良いわ。
兄さんを貸して差し上げます。
その代わり、無傷で返しなさい。」
腕の痺れが取れたのか立ち上がり、土を払いながら爽やかに言った。
―――最後の方は、ドスの利いた声だったが。
「分かった、分かった。
じゃあ借りていくぞ。」
にこやかに告げ、志貴の部屋へと向かう七夜。
そんな彼を、納得の行かない、と言った表情で見詰める秋葉だった。
「志貴、入るぞ。」
志貴の部屋の前へ着くや、志貴の慌てて制止する声を無視し、ノックも無しに扉を開けて中へ入る。
次の瞬間、あの七夜の動きが止まった。
七夜の視線の先には―――――
「……待てって言っただろ…!!?///
大体、何の用だッ!!!!!!//」
寝間着から私服へお着替え中の志貴が、顔を赤くしながら叫ぶ姿だった。
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