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七夜に負ぶさること十数分。
白レンはかなり楽しんで居る様子。
「…おい、居たぞ、レン。」
言い終わらない内に、白レンを自らの肩から下ろす。
「私が雪玉を作るわ、七夜が投げて頂戴!!」
随分と楽な仕事で――と思いつつも仕方無く白レン特製の小さな雪玉を握り、前方、斜め下に居る志貴目掛けて雪玉を投擲する。
「………………!」
七夜の投擲した雪玉に気付いたレンが、志貴をトン…と軽く押す。
たったそれだけで、七夜の雪玉はかわされてしまった。
「なっ……雪玉!!?真逆!!!」
それを見て感づいた志貴は、七夜達の居る方向を見る。
「チッ――気付かれた、移動するぞ。」
七夜は小さく舌打ちし、白レンをお姫様抱っこして走り去る。
どうやら七夜は奇襲作戦を決行するつもりの様で、志貴達の様子が窺える場所に隠れる。
「さあ、どうするか、だな……。」
七夜は策を練り始める。
――が、白レンは七夜が呼び掛ける迄真っ赤になったまま動かなかった。
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