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「ほらよっ!!!!」
先手は七夜。
先ずはスタンダードな攻めで開始する。
「どうしたんだ??七夜らしくないじゃないか。」
レンは投げられた雪玉を避け、それを見ていた志貴が言った。
確かに、"ただ雪玉を投げる"という手段は七夜らしくないと言えよう。
しかし、七夜の狙いは違った。
「レン、今だ。」
「えいっ!!!!!」
七夜の合図と同時に、白レンがレンに向かって雪玉を投擲する。
その雪玉は見事にレンに命中した。
「レン!!?」
志貴は驚いた表情でレンを見る。
レンなら避けられる筈、と思っていた様だった。
しかし無理も無い…七夜の雪玉を避けた瞬間に投げられた為、次の動作に移りきれず当たってしまったのだ。
「どうだ???此で俺らしく成ったか??」
余所見をしている志貴の目前から、七夜の声と空を切る音。
完全に志貴の虚を突いた、七夜の奇襲だった。
「しまっ……」
七夜から放たれた雪玉は志貴に当たる事は無く、志貴に抱き付く様にして庇ったレンに当たった。
「……何!!!?」
「れ……レン?!!」
"これで借りは無しだよ、しき。がんばって。"
志貴の頭に直接響くレンの声。
主人を庇い、レンは脱落した。
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