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「あ~あ、オマエの油断の所為で使い魔が終わっちまったなぁ???」
七夜が言った。
とは言っても、レンは体育座りをしながら観戦中だ。死んだ訳ではない。
「俺を庇ったレンの為にも、勝つよ。」
白レン、七夜に挟まれた志貴が言う。
誰が見たとしても、絶望的状況なのだ。
「……虚勢では無さそうだ…。」
七夜は志貴の顔を見つめて溜息を吐く。
それから口端を歪めて嗤う。
「まあ良い、ならば………………勝って見せて貰おうか!!??」
言い終わらぬ内に七夜と白レンが持っていた雪玉を一斉に投擲する。
「ふッ!!!!!!」
志貴は地に伏す程迄に身を屈めて全てを避け、無意識に刷り込まれた七夜の"閃走"を使用し、白レンの懐に走り込む。
「なっ……!!!?」
白レンが叫ぶ間も無く、志貴が雪玉を投げる。その距離は1mも無い。
「きゃあっ!!?」
当たる直前に、隣に移動していた七夜が白レンを引き寄せる。
「貰ったッ!!!!!!」
志貴は間髪入れず、白レンを抱えた七夜に向かって雪玉を投げる。
――――バスッ!!!!!
粉々に砕け散る雪玉。
それは誰かに当たった証拠だ。
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