白雪姫の母

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 私は男の一人を見つけると、金貨を十枚渡しました。 この国で、金貨一枚は大変高価です。 十枚もあれば、一年は遊んで暮らせるでしょう。 「白雪姫を町まで送り届け、家と仕事を探してやってください。そうすれば、全員に金貨を十枚ずつ差し上げましょう」 「うむ、お頭に相談してやろう」 男は喜び勇んで、私を小屋の近くへと連れて行きました。 白雪姫は近くの湖畔へ散歩にでており、小屋にはいませんでした。 私はお頭と呼ばれる男に、同じ話をしました。 「よかろう。ただし、金貨は一人五十枚だ」 「わかりました。成功報酬として、家の借用書と引き換えに金貨をお渡しします」 私は、手付け金として銀貨を一枚渡して城へと戻りました。
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