贈り物

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ふと携帯を開いた・・・・ 10月19日午後17時14分。 着信・新着メールなし。 一時間以上意味もなくこうして家の回りをぐるぐる歩いている。 今思えば、最初からオレと結衣は釣り合っていなかった。 オレはクラスの中心のグループに属しているが、成績は中の中、運動は上の中とクラスに何人かいるような存在。 それに比べて結衣はクラス・・・・いや学年のマドンナ。 学年で誰が可愛いか? そんな話になると必ず結衣の名前は一番目か二番目に挙がるし、結衣に想いを寄せる男はたくさんいる。 当然、半年前のオレにとってみたら同じクラスだけど近寄り難い存在だった。 しかしオレもいつの日からか他の人と同じで結衣に惚れていた。 あの笑顔に惚れていた。 「まただ、B組の阿倍が高木にフラれた。 これでフラれたの何人目だ?」 こんな話題を聞く度に遠い存在に感じてしまっていた。 オレなんかが告白したって同じようにフラれるだけだって。
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