114人が本棚に入れています
本棚に追加
とある店の中、沢山の女性の間を男達が走っている。
そう……此処はホストクラブ……。
そんな中、ラベンダー色のドレスを身に纏う、パーマ掛かったボブヘアーの、いかにもマダムと言った雰囲気の女性と、黒髪ストレートで、少し長めのショートヘアーで、鼻筋の通った、綺麗な顔立ちの男性が居る。
「滝〈たき〉。執事になってみない?」
「えっ?僕が執事ですか?」
「えぇ……。滝は、人の心を癒したいと、言っていたわよね?」
「はい」
「それは今も、変わらないのよね?」
「はいっ。勿論ですっ」
女性は微笑み「良かった。そんな滝を見込んで、お願いしたいの……」
「しかし、僕に出来るでしょうか?」
女性は真顔になり「滝。私は貴方を信じてるわ。貴方なら姪の心を開けるって……」
「姪?明子〈あきこ〉さんのですか?」
「えぇ。私の妹夫婦の娘なんだけど……」
数日後……。
ある屋敷の門前に、明子と滝の姿が在る。
滝の表情は真剣そのものだ。
最初のコメントを投稿しよう!