プロローグ

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とある店の中、沢山の女性の間を男達が走っている。 そう……此処はホストクラブ……。 そんな中、ラベンダー色のドレスを身に纏う、パーマ掛かったボブヘアーの、いかにもマダムと言った雰囲気の女性と、黒髪ストレートで、少し長めのショートヘアーで、鼻筋の通った、綺麗な顔立ちの男性が居る。 「滝〈たき〉。執事になってみない?」 「えっ?僕が執事ですか?」 「えぇ……。滝は、人の心を癒したいと、言っていたわよね?」 「はい」 「それは今も、変わらないのよね?」 「はいっ。勿論ですっ」 女性は微笑み「良かった。そんな滝を見込んで、お願いしたいの……」 「しかし、僕に出来るでしょうか?」 女性は真顔になり「滝。私は貴方を信じてるわ。貴方なら姪の心を開けるって……」 「姪?明子〈あきこ〉さんのですか?」 「えぇ。私の妹夫婦の娘なんだけど……」 数日後……。 ある屋敷の門前に、明子と滝の姿が在る。 滝の表情は真剣そのものだ。
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