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「そうですか。クラツキ博士の事は、今エクセレンが調べていますから問題ありません。ところで、そちらでは何か変わった事とかは?」
『いいや、シラカワ博士がなんと言ったかは知らんが、こっちでは変わった事は特に無い。誰かが来たって訳でも無いし出て行ったって訳でもない。まぁなんだ、何かあったらいち早くお前達に連絡してやるさ』
「お願いします、カザハラ博士」
キョウスケは軽く挨拶をして、テスラ研の主任、ジョナサン・カザハラとの通信を切った。
「キョウスケェ!ビックニュース、ビックニュース!クラツキ博士の事についていっぱい分かったわよぉ!」
間もなくしてエクセレンが大声をあげて入ってきた。
「いやぁ~、調べるのに苦労したわ。なんせ4年前に死んだ人だもん。キョウスケ、お詫びにチューしなさい」
「後にしろ。それで、クラツキ博士の事で何が分かったんだ?」
「…………」
「どうした?」
「う、ううん!データの資料を作って来たから。はい、これ」
エクセレンは慌てて資料を渡した。
(……後で?後でチューしてくれるの?)
そのエクセレンの脳内は、ちょっとした期待に満ちていた。
「まずクラツキ博士のお勤めなんだけど、この人EOTI機関にいたみたいよ」
「EOTI機関だと?DCとなる前の、異星人の技術を追求していたあの組織か」
「そう。シラカワ博士もEOTI機関にいたからクラツキ博士との接点はこれで分かったわね。でもこの後がちょっと厄介なのよ」
「なんだ?」
「そのクラツキ博士何だけどね、4年前、DCが結成される3年前にEOTI機関から抜けているのよ」
「……確かに。資料によればEOTI機関を抜けてからは小さな孤島を購入して、そこで独自に研究を続けた。しかし半年後、原因不明の爆発事故で死亡したとなっているな。爆発の規模はかなりのもので研究に使われた施設は跡形も無く吹き飛んだ、か」
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