~‡プロローグ‡~

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高い所からの景色は 最高だと思う そう、呟いて後方を振り返る カノン・S・リアノ。 後方には無表情の部下が ひざまづいている。 彼女はじっと部下達を 見つめていた 「もうそろそろかと」 1人の部下が言う。 カノンは小さく頷いた。 「もう来ているのか…」 カノンは砂漠に聳え立つ [金の塔]に篭っていた。 時は2000年 大賢者の居る世界 世界は大賢者によって 平和だった。 しかし逆に大賢者を巡って 戦争がおきたのだ。 カノン・S・リアノも 大賢者だった。 「早いな」 リアノは苦笑した。 追っ手も必死だな。 私は逃げないのに。 「逃げてくれないか」 リアノは震える声で言った。 瞬間、部下達は一斉に 顔を上げる。 「なっ何を言ってるんですか!?」 部下は顔を上げる処か ついには立ち上がって しまった。 そんな部下達にリアノは 思い切り笑う。 「なんでって…、お前達 命が惜しくないのか?」 リアノがあっけらかんと笑い、 軽く問うと部下達は 切羽詰まった面持ちで 目に涙を溜めた。 「何笑ってるんですか! リアノ様が死ぬなら 私達も死にます」 部下達は声を合わせて言う。 必死の形相にリアノは 優しく笑った。 「ありがとな…」 リアノは山の向こうから射す 赤い太陽の陽射しよりも 明るく優しく暖かく 微笑んだ… 「リアノ様……! 私達はリアノ様と共に 行くつもりです。 どうか突撃の命令を」 部下の言葉にリアノは頷いた。image=363622152.jpg
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