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そして魔法陣を発動した。
ヒュッッ…---
青白い光に包まれ、
部下達は唖然とする。
その青白い魔法陣が
<転送魔法>
だとすぐに分かった。
「そんなっ…?
転送魔法なんて…」
部下の1人がリアノを
呆然と見つめた。
「待っ…まさかリアノ様、
私達だけを!?
まだ間に合います!
魔法陣の中にッ--っあ!」
部下の姿は一瞬にして消える。
部下が言っている途中で
<転送魔法>
は発動してしまった。
リアノは1人小さく呟く。
「お前達には
まだやってもらわないと
いけない事があるんだ…」
その時、背後から荒い息遣いと
階段を駆け登る音が聞こえた。
「はぁ…はぁ…。
部下共を帰しやがったな」
そう言ったのはがたいの良い
赤い髪をした
青い目の男だった。
リアノは鼻でフンッと笑ってみせ、腕を組む。
「帰しちゃ悪かったか?」
男はリアノに言われて
気まずそうにコメカミを
少し掻いた。
「別に悪かないけどよ…。って、
会話してる場合じゃねぇんだ」
男は思い出したように言って、
荷物入れから[魔法の手袋]を
取り出した。
~[魔法の手袋]とは
唯一大賢者の特殊な力を
取り出す事が出来る
道具である。~
男はニッと笑うと手袋を付けた。
「覚悟しろよ?大賢者……!!!」
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