~‡プロローグ‡~

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「覚悟なんかとっくに出来てる。 私は逃げも隠れもしない。 何ならそこに寝てやろうか?」 リアノは自ら申し出る。 リアノの申し出に驚いたのか、 男はまた気まずそうに 脇腹を掻く。 そして小さく舌打ちをすると、 足でダン、ダンと地面を蹴った。 「そりゃ~助かりますなー。 ここに寝て下さい」 男はわざとらしい敬語でリアノを寝かすと、 パッと顔を気の抜けた顔から 真顔に変えた。 「お前、 名をガリディスと言ったな?」 リアノがふいに問うと、ガリディスは 手袋を手にフィットさせつつ 口を開いた。 「そうだけど… なんで知ってる?」 ガリディスはリアノの問いに 眉をひそめた。 リアノはガリディスの反応を 見て鼻で笑う。 そして小さく言った。 「レイから聞いた」 聞き取れない程の声だったが ガリディスには 聞こえたようで、 一瞬の内にガリディスの表情が 強張った。 「悪いな。 レイは私の味方だ。」 リアノはボソッと言うと すぐに笑った。 「だが心配はいらない。 私はさっき言った通り、 お前に力をやるつもりだ。 最後くらい味方もいたんだ、と 安心して行けるからな」 リアノは本当に 満円の笑みで言った。
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