ロク

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  「お姉さま…私…外に出たい… ねえ、いつになったらここから出してくれるの?」 「ダメよ、貴女を出してあげることは出来ないわ。 貴女は危険なのよ? わかったわね?フラン!」 そう言って姉は扉の前から去っていった。 決して開ける事が出来ないドア… 決して壊すことの出来ない部屋… まるで牢屋のような場所に少女は一人。 「…ここから出してよ…」 少女は毎日のように声がかれるまで泣いていた。 そんなある日 ―コンコン ノックの音がする。 「…誰?」 「私は…そうだな… 普通の魔法使いだ」 「魔法使いさん…?」 「ああ、普通の魔法使いだぜ!」  
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