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「お前にとっておきの魔法をかけにやって来たぜ!
とりあえず、廊下は寒いから中へ入ってもいいか?」
普通の魔法使いは両腕をこする。
「…普通の魔法使いなんて呼んでないよ…
どうせ私なんて相手しても貴女がすぐに壊れてしまうだけ…
私は危険だから…」
その言葉は重く悲しい…
ーコンコン
しばらくしてからまたノックの音が聞こえた。
「普通の魔法使いだぜ!中へ入れて欲しいぜ!」
「何で…まだいるの?
さっきも言ったでしょ?
私は危険なの!
私の相手なんかしても私が全部壊しちゃう…みんな壊れちゃうんだ!
帰ってよ!
もう…私に構わないで…」
「…」
普通の魔法使いは帽子を目深にかぶり、肩を震わせる。
「…そんなこと言われたのは…初めてだぜ…
どうしよう…涙があふれてきやがった…」
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