第2章

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はおうが考え事をしていると、それまで黙っていたゴリが不意に話し掛ける 「お前のレポート…学会では誰にも相手にされなかったな。」 ゴリは意味深な笑みを浮かべながら言う。 勿論はおうがこの程度で落胆しないのを知ってだが…「確かにまだこの論法には無理がある…天照大神を祀る傍らで古代天皇家は何故か三輪山を祀っている。三輪山は巳輪山…文字通り蛇神がいるとされる最大のカムナヒ山だ。」 ゴリはその先を勝手に言ってしまう。 「登山は制限時間内、登山ルート以外は入れないという今現在もなお続くタブーとされている山だろう? 要するにはおうは天照と蛇神との繋がりの秘密を解くことで隠された真実に至れるって言いたいんだろ?」 はおうは良い所を取られて少し不機嫌になりながら 「なんにしても今回の調査は自信があるんだ。この情報を寄せてくれた宮司さんがこの辺りにいるんだ。」 二人は固く決心したように頷くと宿への道を歩くのだった。
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