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朝日が一面を照らす。
そこには年老いた男とそれを見取っている少女の二人だけ。
男の生命は今静かに消えようとしている。
男はもちろんの事、少女もすでにその事実に気が付いている。
男は遥か上空にある社から更に空を眺めながら静かに語りだす。
「…ヒナ…私のお役目はどうやら此処までのようだ。これからはヒナが私の…私たちの意志を継いでおくれ。」
少女…ヒナは静かに男の話す話しを聞いている。
男はヒナの顔を見つめる。
「…ホントによく似てきたな。私の愛した者。ヒナの母に…」
『ナギ…』
男…ナギは再び朝日に目を向ける。
まるでそこに男が愛した女性がいるかのように―――
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