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「槙!またあんたはっ!」
朝からなっちゃんの声が響く。ちなみになっちゃんはあたしのお母さんね。こう呼ばないと怒るんだ。
それはそうと、何か怒ってるみたいだけどあたし何かしたっけ?
「昨日のパーティー抜け出したでしょ!」
……あぁ!それね!
あたしの家は世界で五本の指に入るくらいのお金持ちらしくて、パーティーにしょっちゅう招かれる。
別にパーティーは嫌いじゃない。むしろ好き。豪華な料理が食べられるから。
でもあたしが昨日のパーティーを抜け出したのは仕方ない。それにはちゃんとした理由がある。
「だってあんなに男がいるなんて聞いてなかったもん!あたしが男性恐怖症なの知ってるくせに!」
アッカンベーをしながら言う。そう、あたしは男性恐怖症なのだ。
なっちゃんは言い返せないのか、「うっ」なんて言ってるけど知ーらない。
「よし、わかったわ。そんなんじゃ後継ぎが出来ない!ということで、槙」
なっちゃんはそこで一旦深く息を吸い込んだ。そして真剣な顔つきでこう言ったのだ。
「男子校に転校しなさいっ!」
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