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｢ピｯ!!｣
審判の笛が鳴る。
ボールは赤高。
｢すません…｣
ヒュｯ…
｢いちいち気にすんな｡｣
久保から椎名へとボールが渡り、
久保はポスト位置に着く。
｢1本行きましょ～ｯ!!｣
｢うぇいｯ!!｣
ラインを越える。
赤高のセットプレー。
(さて…)
ヒュｯ…!!
峰田にボールを回す椎名。
くいくいｯ…
サインが出る。
(おけ｡)
ユキヒロ･椎名のノーボール。
ユキヒロはセンター、
椎名は左45へと移動。
キュキュｯ…!!ヒュｯ!!
ボールは峰田から関谷へ。
キュキュｯ…
ダムｯ!!
(ん…!!)
｢ちっ…｣
キュｯ…!!ヒュｯ!!
1対1からワンドリ、
1枚目を守る要に対し仕掛ける関谷だが、
要はそれに反応。
ここは無理をせずに引く。
｢久保ｯ!!｣
叫ぶ椎名。
｢！｣
声に反応するポストの久保。
(ボーっとすんなｯ!!)
(あっ…!!)
赤高の一連の攻撃動作に付いていくことのできない久保。
『中を掻き回す』
というポストの役割を忘れていた。
ダｯ…!!
椎名の声を受け、
ようやくディフェンス内を動く久保。
｢ふぅ…｣
(スタメンデビュー戦が準決じゃあ緊張もしょうがね～けど､
最低限与えられた仕事くらいきちっとこなせよ｡
助けられる場面とそうじゃね～時があんぞ…)
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