魔神

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赤高ベンチ。 「危なげだな…」 冷や汗をかく安本。 「相手が相手ですしね。 ホントなら日高はペナルティだけど、 峰田に免じて軽めにしてあげます。」 (あ…ペナルティはあるんだ…) 「9分過ぎ。 若干の誤差はあったけどまずまずの展開かな。」 「…何がですか?」 「10分の段階で3点差ありゃ何とか行ける。」 「…信じていいんですよね?」 「どっちでも。」 (相変わらずずるい解答だな…) 「さて…千秋。」 「はい?」 「出番は近いよ。 実際に向こうのセットを見た上で簡単に僕と考察を始めようか。」 「…はい。」 「まず…率直に向こうのセットどう思った?」 「読みづらいですね… 今のところ同じパターンで仕掛けて来ないですし、 プレーの1つ1つが自分なんかじゃ足下にも及ばないってわかります。」 「じゃあどうやって抑える?」 「わかりません… 隙がないように見えますし、 村木さんが上手く止めてくれてるから何とかリードしてるように思います… そもそも自分いつもどうやって抑えてるかもわかんないですし…」 「夢中なんだね。」 「そんな感じです…」 「悪いことじゃないよ。 ただね、 僕はどうしたってえられない程凄い攻撃には思えない。」 「え…?」 「レベルが高いのは認めるけど… どうしようもないって程じゃないよ。 ま…お前たち次第だけど。」 「…」
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