乗車券

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オレはバスの窓から外の景色を眺めていた。 あの後、優しそうな男が席を譲ってくれたのだ。 そんなに夢の先に行きたいなら僕の代わりにどうぞ、そんな言葉をかけてきた。 オレは何度も礼を言った。 男がバスを降りて、オレは席に着いた。 「馬鹿な奴だよな。 泣き落としで席を譲るなんて。」 これで夢の先に行ける、そう考えると笑いが止まらなかった。
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