望んでたのは…

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「そういえば、お客様。」 運転手がオレを見る。 「人間証明書を持ってませんよね?」 忍び込んだことがバレていた。 「詳しいことは夢の先へ着いてから聞きます。 それまで、席にお着きください。」 そう言うと、再び前を向いてしまった。 「頼むよ!! 見逃してくれよ!! 解らないまま乗ってたんだ!!」 オレは懇願した。 今度は本気だった。 今すぐにここから逃げたかった。
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