STORY.0

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「まさか貴方が来るとは思わなかったわ・・・アブディエル。」 八雲 紫は、手に数枚のスペルカ―ドを構えている。 「そうだな、だが・・・貴女は私達に逆らえないと思うが?」 「目的は何なの?」 八雲 紫はアブディエルの言葉を無視し、質問を投げ掛ける。 しかし気にした様子も無くアブディエルは口を開く。 「知ってどうなる。言っておくが、私の邪魔をするのは神に逆らう事になるのは分かっているだろう?」 アブディエルは一息吐く。 「八雲 紫・・・いや、マエリベリ―・ハ―ン。」 その言葉を聞いた瞬間に、レミリア・スカ―レットは初めて恐怖を感じた。 空気が震える。 呼吸が出来ない。 恐怖で体が動かない。 それは八雲 紫という幻想郷最古参であり、"妖怪の賢者"と呼ばれるモノが初めて見せた本気の怒りだった。 「その名前で呼ばないで・・・!」 「"人間"であった時の本名を言っただけだ。さて、もう時間も無いから目的は果たさせてもらう。」 その端正な顔立ちに怒りを浮かべた八雲 紫を背に、館の奥を向く。 「フランド―ル・スカ―レットを連れてくる事、ソレが私に下された命令だ。八雲 紫、貴女に用は無い。」 「アブディエル、貴方に言っておくわ・・・もし幻想郷に害を加えるなら、私は容赦しない。ソレは覚えていてもらうわ。」
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