STORY.1

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「一体、何事なの?紫。」 部屋が狭い為、窮屈な状態で全員は座る。 そして、白玉楼の亡霊――西行寺 幽々子が八雲 紫に問いかける。 「詳しい話は私より彼女に聞いた方が良いわ。」 その言葉が静まり返っている部屋に響く。 「では、パチュリ―・ノ―レッジ。話してもらっていいかしら?」 「・・・いいわ。」 その言葉を聞き、分厚い本を読んでいた不健康そうな印象を受ける少女――パチュリ―・ノ―レッジが立ち上がる。 「そこに居る烏天狗の配った新聞の通り、お嬢様は昏睡状態に陥っている・・・そして私は分かった事がある。」 その言葉で場の空気に緊張が走る。 「お嬢様の首に、文字の様な紋章が浮かんでいるのを見つけた。」 「紋章・・・?」 その言葉に八意 永琳が言葉を漏らす。 「メイド長の咲夜の体も確認した所、鳩尾に全く同じモノがあったわ。」 パチュリ―は咳払いし、言葉を繋ぐ。 「・・・恐らくアブディエルという奴の仕業。私が調べた文献には、その文字は外の世界の"肉体に魂を縛り付け、封印する"呪文だと分かったわ。」 話している間、パチュリ―は拳を握り締めていた。 ――友人を守れなかったという思いが、彼女を支配していた。 「御苦労様、パチュリ―・ノ―レッジ。全て、今聞いた通りよ。何か質問はあるかしら?」
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