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「よく、そんな良い身体を見つけたモノだな。」
その人影は魔理沙に宿りしモノの背後に現れる。
「このザドキエル様に掛かれば簡単なものだ。」
ザドキエル、と名乗ったモノは魔理沙の体で振り返る。
「・・・それは質の悪い冗談か、アブディエル。」
そこにいた姿にザドキエルは嘲笑と取れる表情を浮かべる。
背中に生えた六枚の翼。
水色の髪。
青いワンピース。
それは氷精と呼ばれる妖精──チルノだった。
「そんな身体じゃまともに活動も出来まいだろうが。」
「それは氷精自身が自身の力を理解出来ていなく、使いこなせていないからだ。」
そう言うと同時にアブディエルはため息をつく。
「この氷精は妖精にしては能力値も高く、知恵があれば博麗霊夢も倒しえる可能性は十分にあるわけだ。」
アブディエルは基本的に実用性重視の考え方である。
どんなモノでも実用性を見出だせれば、その実用性にとことん拘る性分だ。
それを良く知るザドキエルはアブディエルに聞こえないように、深く、ひっそりとため息を吐いた。
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