STORY.1

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「よく、そんな良い身体を見つけたモノだな。」 その人影は魔理沙に宿りしモノの背後に現れる。 「このザドキエル様に掛かれば簡単なものだ。」 ザドキエル、と名乗ったモノは魔理沙の体で振り返る。 「・・・それは質の悪い冗談か、アブディエル。」 そこにいた姿にザドキエルは嘲笑と取れる表情を浮かべる。 背中に生えた六枚の翼。 水色の髪。 青いワンピース。 それは氷精と呼ばれる妖精──チルノだった。 「そんな身体じゃまともに活動も出来まいだろうが。」 「それは氷精自身が自身の力を理解出来ていなく、使いこなせていないからだ。」 そう言うと同時にアブディエルはため息をつく。 「この氷精は妖精にしては能力値も高く、知恵があれば博麗霊夢も倒しえる可能性は十分にあるわけだ。」 アブディエルは基本的に実用性重視の考え方である。 どんなモノでも実用性を見出だせれば、その実用性にとことん拘る性分だ。 それを良く知るザドキエルはアブディエルに聞こえないように、深く、ひっそりとため息を吐いた。
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