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そして、周囲を常に監視しているが故に状況把握は素早かった。
「博麗霊夢が来たぞ。」
アブディエルの小声の呟きはザドキエルに届き、ザドキエルは振り返った。
「何をしてるのかしら、貴女達は?」
博麗霊夢は彼女ら、いや彼らの後方から追尾してきていたのだった。
「霊夢達が私達に隠し事をしているのに気付いたから、だぜ!」
「あたいは魔理沙と偶然あったから着いてきただけだよ!」
ザドキエルとアブディエルは、ボロを出さない様に自身が宿りしモノの口調に成り切る。
彼らは一人でも博麗 霊夢に勝てる自身を持っている。
しかし、無傷で博麗 霊夢を倒すのは不可能だと理解していた。
幻想郷という人知を超えた土地が、今も博麗 霊夢に強大な力を与え続けているのだ。
それは幻想郷の管理者である博麗 霊夢のみに与えられた権限で、幻想郷にいるモノは博麗 霊夢に勝つことが不可能に等しい。
そして、今はザドキエルとアブディエルも幻想郷に足を踏み入れている。
博麗 霊夢は彼らにとって大きな障害だった。
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