STORY.1

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博麗 霊夢の後方から巨大な光弾が数発放たれる。 それを見た瞬間にアブディエルはスペルカードを仕舞い、両手を前方へと突き出す。 ――キィン!! 博麗 霊夢と自分達を隔てるかの様に、氷の壁が展開される。 その壁は相当に分厚く、向こう側にいる相手の動きすら見えない程だった。 「ザドキエル、退却するぞ。」 アブディエルは小声で、囁く様にザドキエルへと言う。 「博麗 霊夢と真っ向から闘いたくは無いしな、今の段階で殺したら後々にややこしくなってくるだけだ。・・・逃げるのに賛成だ。」 その瞬間に、ザドキエルはアブディエルの手を引き寄せる。 「幸いにも、この宿主は幻想郷で二番目に速いヤツだ。・・・行くぜ!」 ――ヒュン!! ザドキエルは霧雨 魔理沙が持つ魔力を最大限までホウキに込める。 そして瞬時に、スターダッシュから音速を超える。 博麗 霊夢のスペルカードにより氷の壁が壊された時には、普通の魔法使いと氷精の姿は既に無かった。
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