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その刹那。
博麗神社の本堂――弱い妖怪や妖精には畏怖の対象である建物の縁側に、人影が勢いよく踏み込んだ。
踏み込まれた場所が陥没する程の衝撃で、人影は紫へと持っていた得物を突き出す。
――ギィン!!
甲高い音を立てて、紫のスペルカードが、人影が得物で繰り出した攻撃を遮る。
誰一人、あまりにも唐突すぎる襲撃に紫以外は反応出来なかった。
だが――・・・。
「なっ・・・何故!?」
紫も人影の顔を見た瞬間、表情に驚きを滲ませる。
――チッ。
人影が舌打ちをした瞬間、人影は一瞬で鳥居まで移動した。
「な、な・・・んで・・・。」
パチュリー・ノーレッジは声を絞りだす。
目の前で起きていることに、頭が着いていけない。
――何故!何で!?
頭に浮かんだ言葉も、口が発してくれない。
ただ、口が虚しく動くだけ。
「・・・・・・。」
その最中、西行寺 幽々子のみが人影に鋭い眼光を向けていた。
「――それが貴女の選んだ道かしら?吸血鬼の犬。」
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