STORY.2

5/19

33人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
その刹那。 博麗神社の本堂――弱い妖怪や妖精には畏怖の対象である建物の縁側に、人影が勢いよく踏み込んだ。 踏み込まれた場所が陥没する程の衝撃で、人影は紫へと持っていた得物を突き出す。 ――ギィン!! 甲高い音を立てて、紫のスペルカードが、人影が得物で繰り出した攻撃を遮る。 誰一人、あまりにも唐突すぎる襲撃に紫以外は反応出来なかった。 だが――・・・。 「なっ・・・何故!?」 紫も人影の顔を見た瞬間、表情に驚きを滲ませる。 ――チッ。 人影が舌打ちをした瞬間、人影は一瞬で鳥居まで移動した。 「な、な・・・んで・・・。」 パチュリー・ノーレッジは声を絞りだす。 目の前で起きていることに、頭が着いていけない。 ――何故!何で!? 頭に浮かんだ言葉も、口が発してくれない。 ただ、口が虚しく動くだけ。 「・・・・・・。」 その最中、西行寺 幽々子のみが人影に鋭い眼光を向けていた。 「――それが貴女の選んだ道かしら?吸血鬼の犬。」
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加