STORY.2

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八雲 紫は動かない。 だが、辺り一面に殺気を張り詰めさせていた。 金色の瞳は忙しなく室内を見回す。 そして異変は唐突に起きたのだった。 ――ドドドドドドドドッ!! 博麗神社の本堂に対し、注ぎ込まれるは鉛の弾丸。 鈴仙・優曇華院・イナバは宴会用に使用されている――今回は緊急召集の為に用意された大人数用のテーブルを強引に倒すのだった。 テーブル上に置かれた大量の湯飲みやお茶汲みが畳の上にぶちまけられ、中に入っていたお茶が畳に染み込んでいく。 鈴仙・優曇華院・イナバは自身が着る、月の都での戦闘服――外の世界ではブレザーと呼ばれる学生服の一種に酷似しているソレの懐を探るのだった。 彼女が懐から取り出したのは、拳銃だった。 ソレもタダの拳銃には見えなかった。 通常の拳銃と違い、マズル――銃口の部分が長く、また明らかに計算されて開けられている穴が複数あった。 鈴仙・優曇華院・イナバは弾丸が自身の隠れるテーブルを貫通してきている間も冷静に考察をする。 銃の種類はマシンガン。 銃声や弾速からして、分隊支援火器に当たる軽機関銃。
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