STORY.2

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「――任されたわ。」 そう言い残し、八雲 紫はスキマへと姿を消す。 「・・・。」 ――キュイン! 境界操作で、この上ない程に最高の防弾壁となったテーブルは銃弾を全て弾いていた。 問題は弾かれた銃弾が天井や壁へと飛んでいっていることだ。 銃創まみれになっていく壁や天井を見て、鈴仙・優曇華院・イナバは溜め息を吐く。 ――あとで博麗の巫女が怒り狂うだろうな、と彼女はうっすら考えていた。 そして、そんな事を考えた自分を嘲笑する。 闘いを恐れて故郷から逃げ出した臆病者が、今では闘いの真っ只中で呑気に考え事すら出来る様になっているのだ。 ――これも幻想郷独自のシステム"スペルカードルール"の恩恵か、と彼女は考える。 悔しいが、博麗 霊夢や霧雨 魔理沙のお陰で闘いを恐ろしいと思えなくなっていた。 ――むしろ、彼女は闘いが好きになっていた。 命を奪われない闘いの影響か、彼女の恐怖心は麻痺してしまっていた。
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