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彼女は本能に従い、博麗神社に背を向け、全力で走った。
天狗や普通の白黒魔法使いにかなわなくとも、人外であるが故に並みの人間よりかは遥かに早く彼女は走る。
たった数秒後には博麗神社は視界からとうに消えており、そろそろ山も下り終えるくらいの位置まで来ていた。
「はぁ・・・はぁ・・・。」
彼女も正真正銘の全力で走った為に呼吸は完全に乱れていた。
そして、彼女は自分が走ってきた場所を振り返る。
暗雲が立ちこめているのは彼女から見て、遥かに遠くの山肌の上。
山頂に近い場所で、あそこに博麗神社があるのだろう。
そんな風に彼女が見ていた次の瞬間だった。
暗雲から、光線と形容した方が相応しいほどの光り輝く何かが放たれた。
それは垂直に放たれ、山肌に触れた瞬間に、山肌が割れたのだった。
恐ろしく強い衝撃を浴びせられたガラスのように、亀裂が走り、遠目に見ても分かるほどに山肌の大部分が崩壊する。
ソレを鈴仙・優曇華院・イナバは目を見開いて見ていることしか出来なかった。
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