STORY.0

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「ふふふ・・・そんな昔の事を憶えていられるほど暇じゃないのよ。」 一人の蝙蝠の様な翼の生えている少女――レミリア・スカ―レットが肘を付いた姿勢で、二階から見下した視線をアブディエルに向けていた。 それは威嚇。 自分のテリトリ―から追い出そうとする様、齢五百を超えた吸血鬼は威圧感を与えていた。 しかし、アブディエルは動じない。 「我が主は二千年という時を生きたが・・・一つも忘れる事なく憶え続けているがな?」 それは挑発。 相手から冷静さを奪い、正常な判断を出来なくする為の布石。 それを聞いたレミリア・スカ―レットの眉が、密かに動く。 それは少し挑発が効いた事を意味する。 「ソレは貴方の事じゃなくて?」 少し強まった語気にアブディエルは確証を得る。 「確かにそうだな、それに我が主を吸血鬼なんぞと比べるのも無礼というモノだ。」 「・・・何ですって?」 完全に怒ったのを感じた。 それにアブディエルは内心で、ニヤリと笑う。 「もう頭に来た・・・バラバラに引き裂いてやるわ!」 そう叫び、レミリア・スカ―レットはポケットから一枚のカ―ドを取り出す。 「神槍"スピア・ザ・グングニル"!!」 レミリア・スカ―レットは、そう叫んだ。
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