33人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
「ふふふ・・・そんな昔の事を憶えていられるほど暇じゃないのよ。」
一人の蝙蝠の様な翼の生えている少女――レミリア・スカ―レットが肘を付いた姿勢で、二階から見下した視線をアブディエルに向けていた。
それは威嚇。
自分のテリトリ―から追い出そうとする様、齢五百を超えた吸血鬼は威圧感を与えていた。
しかし、アブディエルは動じない。
「我が主は二千年という時を生きたが・・・一つも忘れる事なく憶え続けているがな?」
それは挑発。
相手から冷静さを奪い、正常な判断を出来なくする為の布石。
それを聞いたレミリア・スカ―レットの眉が、密かに動く。
それは少し挑発が効いた事を意味する。
「ソレは貴方の事じゃなくて?」
少し強まった語気にアブディエルは確証を得る。
「確かにそうだな、それに我が主を吸血鬼なんぞと比べるのも無礼というモノだ。」
「・・・何ですって?」
完全に怒ったのを感じた。
それにアブディエルは内心で、ニヤリと笑う。
「もう頭に来た・・・バラバラに引き裂いてやるわ!」
そう叫び、レミリア・スカ―レットはポケットから一枚のカ―ドを取り出す。
「神槍"スピア・ザ・グングニル"!!」
レミリア・スカ―レットは、そう叫んだ。
最初のコメントを投稿しよう!