HONEY4ME

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魂の欠けた太陽が   人の涙を吸い込んだ積雷雲に負けて   ソラの狭間に逃げ込んだ。   大好きな光の粒は、夢の中だけの幻で 今日は残念ながらオアズケ。 鳥のサエズリだけが少し、 ヘコんだこの気分を和らげる。 憂鬱な夢の後、いつものように   一つ大きなあくびをして、   寝床からゆっくり体を起こす。   今日はママもパパも   仕事が無い日曜日。   ユダヤの教えの通り   総ての者の安息の日。   人も物も、全てがスローに   流れる気がする。   そんな日曜日が、わたしは堪らなく   苦手になってしまった。     大好きなあの人がいなくなって   どれだけの時間が過ぎたのだろう。   私の頭を撫でてくれる   大きいけれど綺麗な手。   少し陰のある笑顔。   私の心にスッと入ってくるような   落ち着いた、優しい声。   私が眼を覚ませば、   いつも側にいてくれて、   微笑みながら、優しいキスをしてくれた。   そんな貴方の腕枕で眠る私は   何処かの国の王女様よりも、   どんなに甘美なスイーツよりも   甘く、優しい気持ちでいることが出来た。
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