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少女は着物を着ていてお人形のように顔が小さかった。
「……あの……雫様?」
「えっ……あっ…………初め……まして……。」
雫は勢いよく頭を下げる。
「…初めまして。申し遅れました。春日部雛夕(かすかべひなた)です。ババ様の下についております。雫様のお部屋はあちらです。御案内いたします。」
雫は雛夕のあとについていく。
一つの間に着くと。
「では。」
と雛夕は行ってしまった。
雫は部屋に入る。そこには雫の荷物があった。
「……?」
雫は思う。なぜ自分の荷物があるのだろう。確か家はもうぐずれてなにもかもひっぱり出せない状況だったろうと。
そして……雫は母の事を思い出す。
血だらけになりながらも自分を守り逃がしてくれた。
『………おかあ……さん。』
雫の目からまた涙がこぼれ落ちる…。こぼれ落ちた涙は畳を濡らす。
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