喫茶タナムシにて

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「それにしても、ナガっち達が上京して、もう一年ですか…キラリンは来てないんですか?」 キラリンとは百瀬と同じ現在、高校一年生の…中学三年生の犬塚にとっては一学年先輩にあたる 地元の有力者、雉島 堅令の一人娘 雉島 虹(きじしま きらら)の愛称である。 「雉島には、俺がここに来ていることは伝えていない。」 「……何でですか?」 「犬塚、お前に伝えなくてはならないことがある。」 そう言うと百瀬は横に置いてあった鞄から 数枚の書類と風呂敷に包まれた何かを取り出し テーブルの上に並べた。
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