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-亡舞 生者必滅の理 死蝶-
聞こえるか聞こえないか程小さい声で呟いた。
幽々子の周りの無数の蝶が舞い、巫女へと飛んでいく。
瞬間、巫女は大きく後退し、手にしていた護符を蝶に向けて投げつける。
護符に触れた蝶とその周りが爆ぜる。
残った蝶が巫女へと襲いかかる。
大きく身を捻り、蝶から距離を置きながら新たな護符を手に取る。
見ると、今まで自分が立っていた場所に蝶が触れ、雑草が一瞬で枯れ果てた。
「---っ!」
「私は死を操る程度の力を持っているの」
ゆっくりと巫女に近づきながら、幽々子は新たな蝶をその手から生み出していた。
「心配しなくてもいいわ、ここは冥界。死んでもすぐにここの住人になれるのだから」
「私にはちゃんと住む場所があるからそんな心配してない」
相変わらずの減らず口だったが、巫女の顔には焦りが見えていた。
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