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意を決した巫女は、無数の蝶を避けながら一直線に動き出す。
蝶は次第に数を増し、巫女へと襲いかかる。
迫りくる蝶を護符で落としながら、それでも速度を落とすことはなかった。
「ようやくわかった、要はあれに狂わされてるだけ」
その目の先には西行妖。
蝶の間をすり抜け、西行妖へと向かう。
「何の封印だか知らないけど、もう一度封印してやるわ、この妖怪桜っ!」
巫女の護符が桜へ張り付ける。
それまで不気味な程生気を帯びていた西行妖は、その花を枯らし、以前と同じくまるで死んだような木へと変わってしまった。
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