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「何してるんだ。」
いきなり頭上から男の声が降ってきて、顔を上げる。
誰もいないと思ったのに…。
慌てて、涙を拭う。
なんでもないと誤魔化そうと振り返ったそこに二度と会うはずがないと思っていた男の姿を見つけて私は硬直した。
さらさらの銀髪にブルーの瞳…
黒のタキシードを着て、まるでお伽噺に出てくるような王子様…
ライトアップされた洋風の夜の庭園に
泣いている女と王子様のような男の出現…
恋愛ドラマにありそうなロマンチックなシュチュエーション。
本来なら胸ときめくところだろうが…
私は凍りついた…
何故なら…
その王子様のような男は、数十分前、私が平手打ちを食らわせた相手だったからだ…。
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