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「葛木様、とても素敵ですよ。」
「あ、ありがとうございます。」
「さあ、それでは参りましょうか?」
日野さんが先に立って歩いていく。
日野さんはホテルの制服ではなく、私服っぽい服に着替えていた。
「え?」
「最後の仕上げだ。」
リューと日野さんの後に続きホテルのロビーを横切り、外に待っていたハイヤーに乗り込む。
乗り込むと同時にリューはノートパソコンを開き、何事か集中している。
「何処へ行くの?」
私が聞くが、リューは集中して答えない。
日野さんが苦笑して、変わりに答えてくれた。
「今から葛木様のドレスを買いに向かうんですよ。」
「え?」
「今日のパーティで着られるドレスがお必要ということで、私がご案内役を買ってでたんです。」
「そうなんですか…なんか、すいません。」
「いいんですよ。それが私のお仕事ですし。それに葛木様、私どもはこういう場合には、『すいません』と謝られるより、『ありがとう』と言ってくださると嬉しいです。」
「あ…そうなんですね。日野さんありがとうございます。」
「いいえ、とんでもない。」
日野さんは優しい微笑を返してくれた。
車でほとんどリューは会話に参加せず、私は日野さんとこの変身の凄さに驚いたという話をしていた。
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